民法 条文 | 民法 解説 |
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第2編 物権 第9章 質権 第3節 不動産質 |
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第356条 【不動産質権者による使用及び収益】 不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。 |
不動産質権者は、質権の目的となっているその不動産の性質に従って、それを使用したり、それから利益をあげたりすることができる。 質権者は、第350条と第298条に書いてあるとおり、質物を勝手に使用したりすることはできないのだが、不動産質権についてもそれを適用すると、高価な土地や建物を使用しないことによる不経済が出てしまう。だから、本条により、その不動産の性質に従った用法であれば利用しても良いとしている。もし、不動産の使い方に特別の使い方などがある場合、当事者間で予め約束しておけば、それに従うことになる。 だが、お金を貸して不動産の質権者となった者が、実際にその不動産の性質に従って使用収益することは不可能な場合が多いので、不動産質は殆ど利用されていない制度である。 |
第357条 【不動産質権者による管理の費用等の負担】 不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。 |
不動産質権者は、その不動産を管理するのに必要な費用を支払い、また、不動産について生ずるその他の費用を負担しなければならない。 |
第358条 【不動産質権者による利息の請求の禁止】 不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。 |
不動産質権者は、その質権によって保証されている債権の利息を債務者に対して請求することはできない。 不動産質権の場合は、質である不動産を使用したり、そこから収益を得ることができるので、債権自体の利息をとることはできないことになっている。 |
第359条 【設定行為に別段の定めがある場合等】 前3条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法(昭和54年法律第4号)第180第2号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。 |
第356条、第357条、第358条の規定は、不動産質権を設定する際に、特別の約束があるときは適用されない。また、担保不動産収益執行が開始されたときも適用されない。 もし、当事者以外の第三者に対抗する場合、登記をしておかなければならない。 |
第360条 【不動産質権の存続期間】 ? 不動産質権の存続期間は、10年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、10年とする。 ? 不動産質権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から10年を超えることができない。 |
? 不動産質権の存続期間は、10年を超えることができない。もし、これ以上の期間で設定した場合は、10年に短縮される。 ? 不動産質権の設定は、更新できる。ただし、その存続期間は、更新のときから10年を超えることができない。 |
第361条 【抵当権の規定の準用】 不動産質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、次章(抵当権)の規定を準用する。 |
不動産質権については、本節に定める規定以外にも、不動産質権の性質に反しない限り、第10章抵当権の規定も準用される。 不動産質権は、抵当権と同じように不動産を扱うので、本条が規定されている。 |
Author:民法マン
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